Product
CSPD Family
SHA Series

SHAシリーズは、自動車およびバイクの各種電子制御ユニット(ECU)向けに設計された多機能な過電圧保護素子です。以下にSHAシリーズの詳細をご紹介します。

シリーズの特徴
国際規格 ISO7637-2(ISO16750)の過電圧要件に準拠
極小サイズ
車両電子制御基板の限られたスペースに対応するため、業界最小クラスの過電圧保護素子として設計されています。
極大エネルギー
車両電子制御基板で求められる高いエネルギー耐性に応えるため、業界最大クラスのエネルギー対応を実現しています。
製品の特性
サイズ:0604in 〜 4032in
動作電圧 12V 〜 60V
ロードダンプ耐性 1.5J 〜 160J
動作温度 -55°C 〜 150°C
ISO7637-2(ISO16750)、JASO D001に準拠
AEC-Q200に準拠
強み
高い安定性で環境要因の影響を受けにくい
高温環境下でも低漏れ電流
車載電子回路は高温環境での動作が一般的であるため、正温度係数(PTC)設計を採用。
温度上昇に伴う漏れ電流を効果的に抑制し、安定した動作と長寿命化を実現します。
高い安全性 ― 非可燃構造
従来のDIPパッケージには発火リスクがある一方で、SHAシリーズは非可燃設計を採用。
万が一の故障時にも火災リスクを大幅に低減し、車載用途で求められる高い安全基準を満たしています。
高導電性&大電流対応
車載基板のレイアウトや電流耐性に対応するため、SHAシリーズは純銀(Ag)内電極を採用。
これにより、突発的なサージ電流を迅速に吸収・分散し、優れた通電性能を発揮します。
製品仕様
Part Number Working Voltage Breakdown Voltage Clamping Voltage Peak Current Load Jump (10 times) Jump Start Voltage (5min)
Symbol VDC(max.) VB(1mA) VC(MAX.) IPeak(8/20μs) WLD V JUMP
0805SA240-1R5J 16V 24V(±10%) 40V 200A 1.5J 24.5V
0806SA240-060J 16V 24V(±10%) 40V 300A 6J 24.5V
0806SA300-090J 16V 30V(±10%) 48V 300A 9J 30.0V
0806SA330-090J 16V 33V(±10%) 53V 300A 9J 32.5V
1206SA240-030J 16V 24V(±10%) 40V 400A 3J 24.5V
1206SA240-060J 16V 24V(±10%) 40V 500A 6J 24.5V
1206SA360-090J 16V 36V(±10%) 55V 500A 9J 35V
1210SA240-060J 16V 24V(±10%) 40V 800A 6J 24.5V
1210SA240-120J 16V 24V(±10%) 40V 1000A 12J 24.5V
1210SA360-120J 16V 36V(±10%) 55V 800A 12J 35.0V
1812SA240-120J 16V 24V(±10%) 40V 1600A 12J 24.5V
1812SA240-250J 16V 24V(±10%) 40V 2000A 25J 24.5V
1812SA360-250J 16V 36V(±10%) 55V 2000A 25J 35.0V
2220SA240-500J 16V 24V(±10%) 40V 5000A 50J 24.5V
2220SA330-500J 16V 33V(±10%) 53V 5000A 50J 32.5V
2220SA360-500J 16V 36V(±10%) 55V 4000A 50J 35.0V
3220SA240-800J 16V 24V(±10%) 40V 5500A 80J 24.5V
4032SA240-161J 16V 24V(±10%) 40V 6000A 160J 24.5V
1206SA470-030J 34V 47V(±10%) 77V 200A 3J 45.0V
1210SA470-120J 34V 47V(±10%) 77V 500A 12J 45.0V
1812SA470-250J 34V 47V(±10%) 77V 2000A 25J 45.0V
2220SA470-250J 34V 47V(±10%) 77V 3000A 25J 45.0V
2220SA470-500J 34V 47V(±10%) 77V 4000A 50J 45.0V
3220SA470-500J 34V 47V(±10%) 77V 4000A 50J 45.0V
3220SA470-800J 34V 47V(±10%) 77V 4500A 80J 45.0V
4032SA470-161J 36V 45V~33V 77V 6000A 160J 48V
0806SA360-090V 24V 36V(±10%) 55V 300A 9J 35.0V
1206SA360-090V 24V 36V(±10%) 55V 500A 9J 35.0V
1210SA360-120V 24V 36V(±10%) 55V 800A 12J 35.0V
1812SA360-250V 24V 36V(±10%) 55V 2000A 25J 35.0V
2220SA360-500V 24V 36V(±10%) 55V 4000A 50J 35.0V
4032SA360-161V 24V 36V(±10%) 55V 6000A 160J 35.0V
応用例
複雑化する車載システムを守るためには、高電圧への対策が不可欠です。
発電機とバッテリーの間
車載発電機はバッテリーの充電と電力供給を担いますが、運転中の電圧変動や電流サージにより過電圧が発生し、バッテリーや電子系統の損傷リスクがあります。

過電圧保護素子はこれらの高電圧を吸収・遮断し、充電中の安全性と安定性を確保します。
ECUおよび電子制御モジュールの保護
車載ECUは各電子システムの制御を担っており、電力サージによる損傷を防ぐために過電圧保護素子が不可欠です。

これにより、各電子制御システムが安定かつ正確に動作することが保証されます。
インパネ・車載インフォテインメントの保護
Load Dumpによる高電圧パルスが、メーター、オーディオ、タッチパネルに伝導すると、内部回路の損傷やフリーズの原因となります。
車両照明システム
外部からの過電圧や静電放電(ESD)による影響からLED照明を守り、点滅や焼損を防止。
照明機器の安定動作と長寿命化に貢献します。
近年の自動車は、ECU(電子制御ユニット)、各種センサー、インフォテインメントシステム、ADAS(先進運転支援システム)など、数多くの電子機器を搭載しています。これらの精密電子機器は電源の安定性に対して非常に高い要求があり、瞬間的な過電圧(サージ)が加わると、以下のようなリスクが発生します:

・電子部品の破損(例:ICの焼損、MOSFETの過熱による故障)
・データエラーや通信障害(CAN/LIN/FlexRayなどの車載ネットワークに影響)
・車両システムの誤作動(メーター、ナビ、ADASなどが正常に動作しない)
・安全リスクの増大(ブレーキやステアリングなど重要機能への影響)

こうしたリスクを未然に防ぐには、高信頼な過電圧保護設計が不可欠です。